【竣工祝い・落成祝い】竣工・落成のお祝いに胡蝶蘭の贈り方・マナー

竣工(しゅんこう)とは

竣工とは、工事が完成することです。落成、完工と同じ意味。
反対に工事を始めることは起工、着工といいます。

なぜ胡蝶蘭が竣工祝いに最適なのか


竣工祝いの際にもっともよく贈られるのは胡蝶蘭です。新しくオープンしたお店に「祝・開店」のような木札とともに飾られた白や紫、ピンクなどの美しい色合いの胡蝶蘭を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
大振りな花や存在感のある豪華な見た目以外にも、竣工祝いとして胡蝶蘭が選ばれているのには理由があります。

胡蝶蘭には「幸福が飛んでくる」という意味の花言葉があります。胡蝶蘭という花の名前は、やわらかな茎に支えられた花が優しく揺れる様がまるで蝶が舞っているように見えるためついた名前です。軽やかに飛ぶ蝶が幸せを運んでくる。そんなイメージから連想された「幸福が飛んでくる」という花言葉を持つ胡蝶蘭は、新たな門出を祝うにふさわしい花だと言えるでしょう。
さらに、胡蝶蘭のような鉢植えの植物は「根が張る」、「根付く」という意味も持ちます。そのため、新しく完成した建物がその地にどっしりと根を下ろしますように、という願いを込めて、竣工祝いとして贈られることが多いのです。

また、胡蝶蘭という花は長く楽しめる種類の花でもあります。数あるフラワーギフトの中でも特に花持ちがいいのが胡蝶蘭。正しくお手入れをしてやると1~2カ月もの間、美しい花の観賞を楽しむことができます。竣工式当日だけでなく、式典が終わった後もそのまま飾ることができ、建物を華やかに彩ってくれるので贈られた方も嬉しい贈り物だと言えます。
加えて、お手入れ方法が比較的簡単であることも喜ばれる理由の一つです。鉢に植えられているため、その他のフラワーギフトのように花瓶に移し替える必要もありませんし、時期にもよりますが、1~2週間に1度の水やりだけで十分です。
このように胡蝶蘭には贈られた側にも嬉しい魅力があるのです。

竣工祝いに胡蝶蘭が選ばれるのにはもう一つ理由があります。それは花粉がつかないこと。フラワーアレンジメントでも人気のユリなどは一見、非常に豪華でお祝いごとにも適しているように思えますが、実はユリの花粉はとても厄介です。衣服やハンカチ、指につくと水で洗ってもなかなか落ちません。竣工式にはスーツで出席するのがほとんどですが、スーツに花粉がついたら大変です。また、胡蝶蘭には独特の匂いが少ないことも理由に挙げられます。ほのかに香るぐらいなら問題ないですが、あまりに匂いがきついとお花の香りも不快に思う人がいるでしょう。特に竣工式は多数の人が集まる場。そういった場面で匂いの少ない胡蝶蘭はまさに最適です。

さらに、見た目が豪華で華やかな胡蝶蘭は、ホストにとって自社や自店の交流関係の広さをアピールする役目も果たしています。会場に胡蝶蘭がたくさんあればあるほど、その会社の社長やお店の経営者が豊かな人脈を築いているという証明にもなり、自社・自店の力を対外的にアピールすることができるのです。

以上のような様々な理由から、胡蝶蘭は竣工祝いにベストなお花だと言えます。

竣工祝いの胡蝶蘭の贈り方


竣工式の招待状が届いたら、出欠の連絡と同時に胡蝶蘭の手配も忘れずに行いましょう。贈答用の胡蝶蘭には立て札を立てるのが一般的です。

多数の関係者を招いて開かれる竣工式ではたくさんの胡蝶蘭が届くことが予想されます。そのため、贈られた側や他のゲストが一目見て誰からのギフトなのかが分かるように立て札が必要となってきます。
基本的に、立て札には贈り先の名前は書きません。誰からの贈り物であるかをはっきりとさせる必要があるので、「祝」や「御祝」などのお祝いの文言に続けて、贈り主の社名・店名、そして代表者の氏名を記載します。
立て札の書き方については、胡蝶蘭の注文先のフラワーショップに相談するのもいいかもしれませんね。

贈り先が個人など少し規模の小さいものであれば、メッセージカードを添えるのもオススメです。立て札ほどおおげさではないため、親しい方への個人的な贈り物という意味合いが強い場合はメッセージカードを選択するのがいいでしょう。
メッセージカードの場合は書き方に決まりはなく、くだけた表現ややわらかな文面で構いません。ご自分の気持ちを込めたメッセージを贈りましょう。

ただし、多少くだけた表現でも許されるとは言え、お祝いのメッセージですので、使ってはいけない言葉や避けるべき表現がいくつかあります。胡蝶蘭を贈る際に気を付けるべきマナーと合わせて以下の項目でご説明しますので、参考になさってください。

竣工祝いの胡蝶蘭の相場

竣工祝いに胡蝶蘭を贈る際に気になるのがその相場ですよね。胡蝶蘭にはまず、ミディ、中大輪、大輪など花の大きさで種類があり、さらに3本立ち、5本立ち、7本立ちと植えられた株の数でも種類が分かれます。当然、花は大きく株数が多いほどお値段も高額になります。その中で、もっともお祝い事に適しているのは大輪の3本立ちまたは5本立ちです。大輪の3本立ちまたは5本立ちは2万円~3万円程度で手配することができます。
竣工祝いの相場は相手との関係性によって変わってきますが、だいたい2万円~3万円が平均のようです。以下に目安を記載しますので、参考になさってください。

・身内…10,000円~30,000円
・知人…10,000円~15,000円
・取引先…30,000円~50,000円

大きいものほどお値段は高くなりますが、贈る際には贈り先の状況をよく考えて贈るようにしましょう。贈り先に大振りの胡蝶蘭を飾ることができるスペースはありますか?場合によっては大きすぎるものも邪魔になるかもしれません。
竣工祝いに胡蝶蘭を贈る際に重要なことは目立つことや金額ではありません。相手の状況や贈り先の環境に配慮し、適したサイズのものを贈るようにしましょう。

竣工祝いを贈るタイミング

基本的には竣工式の前日に届くことが理想です。式典の当日までにお花が到着していれば会場に飾っていただくことができ、式典に華やかさを添えることができますが、当日の到着では贈られた方もバタバタとしていてかえって迷惑になることも考えられます。胡蝶蘭を贈る際は前日に届くように手配しましょう。
会場が華やかになるので前日までにお贈りするのが一般的ですが、移転をともなうなど先方の都合によっては、そうはいかないときもあります。その場合は、移転日から1~2週間程度余裕を見てお贈りするようにしましょう。

ただし、場合によっては先方にご都合を確認するのも一つの方法です。お祝いを贈る際の先方への確認はマナーに反するように思われますが、胡蝶蘭のようにお手入れの手間があったり、サイズの大きいものであったりすると受け取る側にも準備が必要です。「この度はご竣工、おめでとうございます」と一言添えて、相手の都合の良い日時を確認しましょう。

竣工祝いのマナー・タブー


胡蝶蘭を贈る際に気を付けたいのがラッピングの色。竣工祝いの際に、タブーとされるものの中に、火を連想させるものというのがあります。赤は暖かみがあり、ほっとする色でもあるのですが、「火」や「炎」をイメージしてしまう色でもあります。そのため、胡蝶蘭のラッピングには赤色以外の色を選ぶようにしましょう。

立て札を立てて贈る際は、立て札の内容にも注意する必要があります。会社名や氏名に難しい漢字や間違えやすい漢字はありませんか?注文先に立て札の内容を伝える際はファックスで送るというのも一つの手段です。自社の名前を間違うのも恥ずかしいことですし、贈り先の名前も記載する場合、万が一先方の名前を間違うことがあっては大変失礼です。二回、三回と確認し、絶対に間違えないように気を付けましょう。

また、メッセージカードを添えて贈る際はメッセージの内容にも気を付ける必要があります。否定的だったり、ネガティブだったりする表現は使わないようにしましょう。
竣工の場合は「またしても・再度・再び・変わる・繰り返す・終わる」や「倒れる・壊れる・潰れる・傾く・崩れる・欠ける・割れる」、「燃える・焼ける・火・紅・赤」などのような忌み言葉も避けるべき言葉です。

ちなみに、贈り先が病院の際には、生花の持ち込みを制限していないかどうかを事前に確かめる必要も出てきます。最近では、衛生上の観点から生花の持ち込みが禁止されている病院もあります。病院関連の施設の竣工祝いの際は、前もって確認しておくようにしましょう。