胡蝶蘭ギフトの贈り方
胡蝶蘭という花はビジネス、プライベートを問わず、喜ばれるギフトとして非常に重宝されています。なぜここまで日本では胡蝶蘭をギフトとして重宝しているのでしょうか。今回は胡蝶蘭ギフトの贈り方、贈り物として、おすすめである理由、ギフトとして贈る時のマナーや注意点を解説いたします。
ぜひ、ここで胡蝶蘭の送り方に関する知識を身に着けて効果的に、ギフトとして活用できるようにしましょう。
胡蝶蘭がギフトとして人気の理由
胡蝶蘭がギフトとして選ばれ続けるのには、①~⑤のような理由が存在します。
①見た目が上品であるため喜ばれる
②おめでたい花言葉に由来する
③花持ちが良いため、手入れの手間がかからない
④花粉や香りも少なく、アレルギーや花粉症の人も大丈夫
⑤季節を選ばず贈ることができる
これだけの魅力的な理由があるために胡蝶蘭はギフトとして、常に選ばれ続けているのです。それでは一つ一つについて解説していきましょう。
見た目が上品で喜ばれる
胡蝶蘭の花は見た目がとても上品です。上品さがあるために、男女問わず喜んでもらうことができるのではないでしょうか。優美で格式が高く、華やかであるためビジネスシーンの贈り物としても重宝されています。
花の見た目
まず、胡蝶蘭の花は1輪~多数の花をつけるものまでバリエーションが豊富です。花の色もスタンダードな白色から黄色、ピンクなども存在します。胡蝶蘭の花は、花茎の先端ではなく、途中についているため、それも優雅な雰囲気に繋がっています。
花芽
胡蝶蘭の花芽は、葉っぱの間から成長してきます。花芽は通常3枚目~4枚目の葉の間から成長してきます。そして、通常の花芽は1本だけなのですが、良好な環境で生育した胡蝶蘭は、複数本の花芽が出てくるのです。そして、1箇所に対して、1本の花芽しかでないため、しっかりと成長して葉の枚数が多いほど、複数の花芽がでてきます。
葉っぱの特徴
胡蝶蘭は花の形だけでなく、葉の形も上品な特徴を兼ね備えています。左右に開く楕円形で形もよく、肉厚で水分を含んでいます。大きな株のものとなると、6~8枚になり4枚程度の市販品も存在します。新しい葉が成長すると、その後1枚葉がでるごとに下の葉が枯れていきます。
おめでたい花ことばに由来している
胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」という意味があります。
新規でお店を開業する場合や、表彰・受賞の記念などこういったシーンで「幸福が飛んでくる」という花言葉は更なる幸福の連鎖を願っているようにも思えます。
貰った側もとても喜ばしいですよね。おめでたい花言葉にエレガント見た目、ギフトして喜ばれるのはこういった理由があるのです。そして、胡蝶蘭の鉢植えには、『幸福が根付く』という意味もあり、胡蝶蘭の鉢植えは二重に縁起がものとされています。
花持ちがよく、手入れに手間もかからない
どんなに見た目が美しくて、縁起の良さに定評があっても、鉢植えを置くのに手間がかかってしまっては相手も困ってしまいますよね。しかし、安心してください。胡蝶蘭の花は見た目の美しさや縁起の良さだけではなく、手入れもとても簡単な花なのです。
お祝いで相手に贈った後でも、あまり手間をかけず1ヶ月~3ヶ月は胡蝶蘭の花を近くに飾って、その美しさを楽しむことができます。
水やりは7日に1回を程度あげれば十分で、鉢内の苔が乾いたら水あげをするといいでしょう。冬場はぬるま湯をあげるのが一般的です。
また、胡蝶蘭を長持ちさせるコツとして、飾る場所はエアコンの風が直接当たる場所や、直射日光が当たる部分は避けたほうが長持ちするでしょう。
花粉や香りも少なく、アレルギーや花粉症の人も大丈夫
どんなに見た目が綺麗で、縁起がよくて、手間がかからなくてもアレルギーや健康被害があってはギフトして向いてないですよね。しかし、胡蝶蘭のすごいところは、そのような点もカバーしていることです。
例えばですが、おめでたい花や植物としては、胡蝶蘭以外にも有名な植物があります。例えば松竹梅、南天、福寿草です。どれもおめでたいことで有名ですよね。
しかし、これらの多くは限られた季節でしか入手できなかったり、受け取る側の体質によっては花粉アレルギーなどが発症する恐れもあります。
しかし、胡蝶蘭はアレルギーが発症するというケースが殆どないため花粉症の方にも安心して贈ることができます。
しかし、なぜ胡蝶蘭はアレルギーが少ないのでしょうか。
それは、花粉症とは花粉や臭いの飛散で引き起こされるのですが、胡蝶蘭は華やかで大きな花でありながら、花粉や匂いの影響が少ないのです。
これには胡蝶蘭の花の構造も重要です。胡蝶蘭は珍しく外から花粉が見えない構造の花なのです。胡蝶蘭を動かしたり、事務所に飾っていても花粉が舞って飛散する危険がありません。
健康面でも安心して選ぶことができるのが胡蝶蘭の大きな魅力の一つと言えるでしょう。
h3季節を選ばず贈ることができる
胡蝶蘭は他の縁起物の植物と違って、季節を問わず購入することが可能です。季節を選ばず贈ることができるのは、ギフトを贈る側としても、手に入れやすいですよね。
ただし、管理方法にはひとつ気を付ける点があります。胡蝶蘭は寒いと枯れてしまう花なのです。そのため可能な限りは18度以下にならないようにするのが理想的と言えるでしょう。
また、水を与えすぎても根腐れを起こしてしまい枯れてしまうので注意が必要です。
こんなタイミングで渡すのが喜ばれる!胡蝶蘭がおすすめのシチュエーション
胡蝶蘭をおすすめする場合は、おめでたいときに渡すのがいいでしょう。誕生日祝いや出産祝いなどのプライベートな内容のものから、開業祝いなどビジネスシーンでも活躍してくれます。
誕生日祝い
友人や親せきの誕生日祝いなどで渡すと喜んでもらえるのではないでしょうか。胡蝶蘭には白色だけでなく、色とりどりの種類があります。黄色、ピンク、紫など贈る相手の好みに合わせて胡蝶蘭の色を決めるのも良いでしょう。
また、相手の部屋でもあまり邪魔にならず飾れるように、少し小さめの鉢植えを用意するのも喜ばれるかもしれません。贈る相手の都合や住宅事情も考慮して、適切な大きさの胡蝶蘭をプレゼントするとより、喜んでもらえるでしょう。
誕生日祝いであれば、派手で高価なものよりも5,000円~10,000円程度でコンパクトなものが選ばれる傾向にあるようです。立札には「誕生祝い」、「誕生日おめでとう」など少しカジュアルな内容にすると良いでしょう。
ただし、注意点もあります。友人の誕生祝いで胡蝶蘭を贈る場合は良いのですが、ビジネス上の方へ贈る際は、上司に相談するなどして、対応するのが良いでしょう。また、立札にも「営業部一同」、などまとめたもので渡したほうがスッキリとした印象を与えることができるでしょう。
出産祝い
胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」ですが、まさに出産祝いのシチュエーションにピッタリではないでしょうか。出産祝いのケースでも価格は5,000円~10,000円程度で、コンパクトなものを選ぶほうが喜ばれるでしょう。
出産後はバタバタしており、引っ越しなども行うケースがあるため、コンパクトなもので十分でしょう。また、出産祝い等では木札には「出産祝い」などと記載するのがいいでしょう。それだけでなく、メッセージカードや手紙を添えることも多いようです。
開店・開業祝い
事業を新しくスタートする際は開業祝いとして、胡蝶蘭を贈ることが多いでしょう。例えば飲食店や小売などは「開店祝い」、病院や美容院であれば「開院祝い」、会社などを起業した場合は「設立祝い」、事務所の開業であれば「開業祝い」など事業に応じて木札などのニュアンスを微妙に変える必要があるでしょう。
個人商売で小さなお店の開業であれば、あまり邪魔にならないように5000円~10000円程度のもの、会社の設立や開業祝いでは30,000円~50,000円程度の胡蝶蘭を贈るといいでしょう。
タイミングとしては事業を始める当日は避けて、一週間~前日前と早めに贈るようにしましょう。当日は事業開始日ということもあり、忙しくしていることが多いですから、その点を配慮する必要があります。
配達の日にちについては、花屋さんと事前の段取りをきちんと決めておく必要があるでしょう。
栄転祝い
栄転祝いの胡蝶蘭を贈る際はタイミングや種類の選択も少し難しくなります。まず、個人から個人で贈る際はコンパクトな1万円前後のものでも問題ないでしょう。
しかし、取引先の方へ贈る場合は相手の役職や関係性を十分に考慮して胡蝶蘭を贈るようにしましょう。相場は30,000円~50,000円程度でグレードの高いものを贈ると良いでしょう。また、日にちとして「仏滅」は避けるべきと言えます。
昇進、栄転、就任がわかってから1週間以内に贈るのが無難でしょう。ただし、大切な取引の場合は十分に情報収集して、早めに胡蝶蘭を贈ると良いでしょう。
よくある失敗パターンは、確かでない情報を信頼して胡蝶蘭を贈ったところ、栄転や昇進の内容が異なっていたり、或いは時期を誤っていたなどのケースがあります。このような贈り方では、相手に恥をかかせることになります。十分注意が必要と言えるでしょう。
受賞・授章祝い
受賞祝いとは、スポーツや芸術で賞を収めた時に贈られる賞のことです。授章とは国や行政から与えられる勲章や褒章のことです。これらは非常におめでたいことで、華やかな胡蝶蘭を贈ることが一般的です。
贈る相手との関係性や受賞、授章の内容にもよりますが、一般的には20,000円~30,000円程度の胡蝶蘭を贈るのがベターでしょう。おめでたいことですから、豪華な胡蝶蘭を贈るのもありでしょう。
受章・受賞祝いの木札には「祝御受賞」「祝褒章」といった言葉を添えるのが一般的。コンクールや展覧会で賞を授賞した場合には「祝栄冠」「祝優勝」「祝御入選」といった言葉を選ぶこともできます。
h3公演祝い、楽屋見舞い、千秋楽など
舞台の公演祝い、千秋楽などでも胡蝶蘭は喜ばれます。特に千秋楽は興行の最終日であり、非常におめでたい日となります。このような際には、出演者の方はお祝いを家に持ち帰ることができるため、胡蝶蘭が好んで贈られます。
相場は20,000円~30,000円前後のものが良く選ばれています。特に大きな舞台では、5本立ち等の豪華な胡蝶蘭を贈ることもしばしばあります。会場のスペースに合わせて内容を検討してみると良いでしょう。
楽屋見舞いとして渡すのであれば、チケットと同額程度でお返しをするのがベターでしょう。タイミングは公演祝い、楽屋見舞いだとすれば公演初日に贈ると良いでしょう。
木札には「祝御公演」「初日御祝」「楽屋御見舞」などの言葉を使うことができます。
そのときの内容に合わせて選ぶようにしてください。
議員などの選挙祝い、当選祝い
議員さんなどの当選祝いでも胡蝶蘭は好んで贈られます。当選祝いであれば30,000円~50,000円の胡蝶蘭を贈るといいでしょう。公職選挙法では、選挙活動等への寄付は年間150万円までと決められています。多少胡蝶蘭に奮発しても、影響はないと言えるでしょう。
タイミングは当選が確定した後に、1週間以内に贈りましょう。当選がまだわからない段階で贈る場合には「陣中見舞い」となり当選祝いとは異なるものとなります。
気を遣うべき点としては、相手の事務所に合わせて鉢植えやラッピングを和風にするのか、洋風にするのかを検討すると良いでしょう。せっかく贈るのであれば相手の事務所に飾って栄えるものを贈りたいものです。
木札には忘れずに「当選御祝」、「祝御当選」等を書き加えておきましょう。その後、会社からのプレゼントである場合は会社名と氏名を。個人からのプレゼントである場合は個人名を記入します。
胡蝶蘭ギフトの贈り方や注意点
胡蝶蘭ギフトの贈り方に関する疑問ってありますよね。例えば贈る際は花屋さんにすべて任せていいのか?それとも自分で花を届けたほうが良いのか?シーンによってはNGな行為はあるのかなど、挙げたら色々な疑問が湧いてきてしまいます。そんなギフト向けの胡蝶蘭の贈り方やマナーについて解説していきます。
送る際は手渡し?それとも花屋さんに頼む?
胡蝶蘭の花を贈る際は、自分で持参すべきか花屋さんにすべて任せてしまうべきか悩ましいですよね。まず、ビジネスで胡蝶蘭を取引先に贈る際は、必ず上司等に相談して胡蝶蘭の花をどのようにして渡すか確認をしたほうが良いでしょう。
実は取引先に胡蝶蘭を贈る場合は、上司の考え方や習慣も大いに関係しますから事前に相談しておくのがベストでしょう。また、親密な友人などに個人として渡す場合は、直接手渡ししたほうが喜ばれるでしょう。
花屋さんにすべて任せる場合は、先に一報相手に胡蝶蘭を贈ることを伝えておくのが無難です。花屋さんが届けに出向いても、相手が不在であれば段取りが悪い印象を与えてしまうので注意が必要です。
花を傷つけないように気を付ける
胡蝶蘭を持参する場合は、梱包や包装を横にしたり逆にしないようにしましょう。ミズゴケが落ちてしまう恐れがあるためです。また、胡蝶蘭の花は白い薄紙に梱包されていますが、傷がつくことがあります。見た目ではすぐにわからないのですが、数日経つと傷が変色して茶色になるため気を付けて持参するようにしましょう。
ネット注文の場合も注意が必要
ネットショップでも豊富なバリエーションの胡蝶蘭を購入可能ですよね。ネット注文は便利な反面注意点もあります。
一つは配達の仕方が店によって異なります。胡蝶蘭は大きなものであれば梱包材の量もそれなりです。梱包材の回収サービスがあれば、お客さんに胡蝶蘭だけを手間なく渡すことができるため、おすすめは梱包材回収サービスありの業者を選ぶと良いでしょう。
贈る相手にどうすればベストな状態で胡蝶蘭を届けることができるか、しっかりと確認しましょう。木札、ラッピングなどのサービス内容も併せて確認しておくことも忘れないようにしましょう。
相手の事務所に対してサイズが大きすぎて困らせてしまった
お祝いの気持ちを表現したくて、豪華な胡蝶蘭を注文するも、受け取る相手側にとってサイズが大きすぎてかえって迷惑をかけたというのは、よくある失敗談です。
確かに大きさや見栄えは大いに大切です。しかし、こういったギフトもTPOをわきまえて相手に配慮した胡蝶蘭を用意するのが思いやりと言えるでしょう。
タイミングや時間帯も大切である
胡蝶蘭を贈るタイミングは昇進や栄転の、開店の早めの時間に贈ると良いでしょう。前述で紹介した通り、当日は避けたほうが良いケースも存在します。タイミングが合わないことで、不在の際は配達店に待ち戻ることとなり、環境次第では胡蝶蘭が傷んでしまう恐れもあります。
配達依頼をする際は、配達時間や配達日を事前に相手に相談するのも配慮としては適切といえるでしょう。事前に贈り物を贈ることを相手に伝えることに抵抗感があるかもしれませんが、お祝いごとの胡蝶蘭であれば、失敗を避けるためには仕方ない選択と言えます。
木札やメッセージカードの役職名などは十分注意する
せっかく胡蝶蘭を相手に贈っても名前や役職が違っていれば、印象が悪くなってしまいます。これではせっかくの気遣いやお祝いの気持ちが空回りとなってしまいます。
特に電話越しに相手の名前や役職などを伝えることを避けて、必ずメールやFAXを利用するようにしましょう。また、情報が正しいかどうか二重チェックすることも非常に重要です。